☆いい女☆で行こう!

   〜オトコ視点からの、恋愛の知恵ノート。 Copyright 2007 Quali,
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こめかみから血を流して倒れていたおっさんの話
黒いおっさんが、自転車で転倒したらしく、路地に倒れていた。
僕は「おっちゃん、大丈夫か」と寄り、背中に手を当てたのだが、おっさんは「飲みすぎたわ」と言っていた、こめかみを少し打って浅い傷から血を流していた。
「おっちゃん、ちょっと血ィ出てるわ」というと、「そうか、でもこれは、悪い血が出てるだけだから大丈夫や」とおっさんは言った、おっさんの苦しそうな顔に僕は「……そうか」とうなずくしかなかった。
たいていよくあることだが、僕がそうしておっさんに駆け寄ると、そのとたん周りの人もわらわらと寄ってくるものだ/さあここまではよかったのだが、このあとがサイテーだった。

みんなして、倒れた自転車を立て直したり、薬局のおじさん(医療従事者)が駆け寄ってきてくれたりで、まあ何のことはない、大丈夫そうだった、ただ酔っ払いのおっさんが転倒しただけだった。
だが、その自転車を立て直してくれた兄さんが、何を思ったのか、まあ想像はつくが、演説と説教を始めたのだ、「自転車でも、お酒飲んで運転すると、飲酒運転なんですよ」ということが言いたかったらしい、まあそれぐらいしか彼の脳みそでは思いつくところがなかったのだろう。
しかし僕は、まあ「いつもどおりやなあ」と失笑するしかなく、あとになって現場に居合わせた友人にこう話した、「頭を打って血ィ流している年長者に、いきなり縁もない若輩が法律をかさにきて説教を垂れるって、気が狂っているのかね、しかもあいつは、おれが駆け寄ったからそれに乗じて寄ってきただけじゃないか、どうせ自分では何もできないヤツなんだろ?」。
「薄黒い顔面と、身なりからして、おっさんが肉体労働のキツい暮らしをしているということはわかるじゃないか? そして、倒れた自転車のカゴを一瞥したら、食品が入っているのがわかる、そこでこのおっさんはキツい暮らしをしながら独り暮らしなんだということに気づかないのか? そしてこうして倒れている以上、おっさんは昼間から深酒をせずにいられないぐらい大変な思いを抱えて生きているというのがわからないか? そういうことはおっさんの自業自得だとおれは思うのだが、そこで頭を打って血を流しているところに、なぜいきなり若輩が都合に乗じてやってきて、司法の峻厳たるを説いて悦に入るのか? 何の経験もない、アニメしか知らない青二才が? 現代人はこんなものを正義だと思っているんだよ」

倒れているおっさんの背中に手を当てて気力を治癒してやれるのは僕しかいなかった。

この際は断言してしまおう、人が人の身体に手を当てるということは、それだけで治癒や回復の効果があるが(見えづらいが、大きくあるものだ)、それは誰でもできることではない、誰だって手を当てれば相手が回復するわけではないし、善意があったからといって回復させられるわけではない/その回復や治癒の実際を目の当たりにしたときに、「このようなことができる人が本当にいるのだ」ということに愕然と驚くまでは人間は一ミリも成長しない。
おっさんが無事回復して、今日はほどほどのお酒を飲んでいますように! そして愚かな青二才は、今になって自分の矮小さに慚愧を覚えていますように!
できるオンナだね | comments(0) |
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