☆いい女☆で行こう!

   〜オトコ視点からの、恋愛の知恵ノート。 Copyright 2007 Quali,
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僕は僕自身のみで僕を定義できる
にとって、この二年半ほどは、すべて「他の人のことを知らなかった」に尽きる/この二年半で、僕はこれまで知らなかった、自分のことではない「他の人のこと」を知るようになった。
それで、まったく最近になってまた知ったことなのだが、僕はどうやら、自分が何者であるかという定義、いわゆるアイデンティティのようなものを、まったく外部に依存せず定義できるらしい、そしてそれが非常に珍しい例なのだということも最近になって知った。
僕は、文章なんか書いていないし、国立大学なんか出ていないし、総合商社になんか勤めていないし、ワークショップの先生なんかやっていないのだ、むろん事実としては「やっている」のだが、僕の中にいちいちすべてのことを「やっている」という感覚はない、僕は唄っているときにも唄っているという感覚はない。
これらはすべて、僕が僕自身を、ただこの世界に「僕」がいるということだけで定義できるから、起こっていることのようだ、自己の定義について何ら他者との融通性を必要としないのだ、だから僕は何もしなくていい、何かをしないと僕が手に入らないということはまったくないし、何かをやったとして「僕」が変化することはわずかもないので、けっきょく僕が何かをしたということをカウントする必要が根本的にない。

刈り上げた髪を緑色に染めている、通りすがりの人を見て、ハッと気づいたのだ/僕はこれまで、「個性」を持とうとしている人のことがまったくわからなかった。
おそらく、自らに「個性」を求めている人は、先立って一般的な「自分」という群が存在し、その群の中に己の自分が埋没してゆくような感覚があるのだろう、だからその中で、ユニークネスを主張するタグを付けなくてはならない、それで髪を刈り上げて緑色に染めるというような「個性」の獲得を欲するようになる。
ここが僕の場合はまったく逆で、僕はこれまでに一度も、「自分」という群に僕を溶かし入れてもらったことがないのだ、ある人の言い方を借りれば「九折さんは本当に単独で九折さんだから」ということになる、あの言い方が正しかったわけだ。
また別の人の言い方を借りれば、「あなたは自分の国を持っている、自然、王の地位にある」「あなたの周りにだけなぜか世界がある」ということになる/僕はこの二年半、ひたすら「これまで知らなかった他の人のこと」を知ることになった、自分の「個性」や「やること」を見つけたいと欲している人のことが、これまでずっとわからなくて、このごろになってようやく少しわかってきた。

僕は経歴と能力と思い出と友人のすべてを失ったとしても、僕自身が何ら変動しない。

たぶん生命を失ったとて、何ら変動はしないのだと思う、なぜそんなことになったのかは知らないが/僕は僕の国に住んでいる以上、僕自身の「個性」などというものは、数学的に存在しえない、唯一性の存在は他と比較しえない以上、比較の上に成り立つ「個性」というパラメータは出現しない。
僕はこの世界に僕として存在していて、その "自己存在の直覚" そのものが、どうやら「他の人」にはもともとないみたいだ、だから僕がいつも言っている「この世界」「世界愛」のことが正しく伝わらない/僕自身が唯一のものとして存在している以上、 "僕が存在しているこの世界" も唯一のものだ、僕が「この世界」「世界愛」と呼んでいるのはこの唯一性の事象を指してのことで、この事象平原にしか厳密には「世界」はないと僕は断言せざるをえない。
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